STAFF REPORTスタッフレポート

SALT Pro Staff赤木 光広

漢磯紫流儀

磯を舞台にターゲットに真っ向勝負を挑むパワフルアングラー赤木光広のホットレポート。 岸和田市在住 / 紀伊半島をホームにヒラ・マル・青物を追い求める、常に全開の豪傑釣師。

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2015.05.01

外れか?当たりか?

有難い事に必ず週末に友人から釣行のお誘いの声が掛かかる。
今回初夏の日差し照りつける太陽の中、またまたヒラスズキを求めて雄輔君と二人の南紀へアプローチとなった。

天気予報での南紀の波浪予想は1mのち4mと表記されて、午後から南西の風が強くなり次第に波が高くなる予報。
これは期待できる!

朝一番は完全ベタ凪の海にのんびりスタートとなってしまった2人。少しでもウネリに敏感なエリアを模索し午後から本格化する時化に掛ける事にした。しかし波が無いまま日が傾きだし16時をまわった。一向に風も強くならず、よってサラシもデレデレ状態で磯ヒラ成立にはかなり厳しい海況。さてこのまま諦め帰ってビールとなるのか、自爆覚悟でやるか・・・。

往生際の悪い2人は磯に着く頃には少しは風が吹きサラシも出てくれるだろうと完全プラス思考。まさかここまで天気予報は外れないだろうという安易な思いでポイントへと向かった。しかしそれがポイントへ到着すると風が強くなるどころか更に無風に近い状態で、頼みの天気予報はとうとう完璧に外れとなってしまった。しかたなく少し待ってでも偶にくる小さなセット波の入るエリアにポイントを絞り、磯際からしっかり離れてのアプローチとなった。

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自爆覚悟で私がセレクトしたルアーはラルストゥイッチャー。カラーはオリジナルのパープルイズム。私なりのこのルアーの使い方は、基本スローで巻き、サラシに突入するとレンジを下げない程度に流れに同調させ張らず緩めず、時には少しのフォールも入れる。このフォールが絶妙な縦クランクの動きで、この時にもよくバイトするので一回のトレースで必ず数回入れる様にしている。しかし如何せんベタ凪に近いこの状況。こんな状況の時にはお気に入りのルアーで心中するぐらいの気持ちで最後まで貫き通すと吉と出ることが年に数度ある。ユラユラと左右にスライドしながら足元まで帰ろうとしたラルスの動きに見惚れていると、いきなり横から弾き出された様な猛スピードでグッドサイズのヒラスズキが飛び掛かった。この日もそれが吉と出た。

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コンディションが良いのかサイズがある割にスピードがある。過去にこのエリアを何度か訪れたことはあるが、今日のヒットポイントは私の過去のヒットデーターには無い。それは恐らくどうもサラシから飛び出してくる通常の定位したヒラスズキではなく、不十分なサラシではあるものの、付近にヒラスズキはしっかり居て、たまたま近くの磯際にできる小さなサラシを利用して捕食したのかもしれない。それにラルスのミノーにはないスライドアクションが本能的なスイッチを入れて相乗された様にも思える。

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見事に外れた天気予報であったが、また一つ大事なことを自然から教わった様に思えた。この日一番波を待ち焦がれていたのはフライングバイトしたこのヒラスズキかも知れない。 元気で海に戻っていくヒラスズキを眺め、雄輔君が「本当に良い大人の遊びですね!」と呟く。

今宵も冷えたビールが五臓六腑に染み渡る。その肴は脳裏に刻み込まれた「いきなり飛び出してくるあの映像!」

ロッド : ゼナック ディフィーバーンブラックフィン11.6RG
リール : シマノ ツインパワー4000XG
ライン : クレハ 完全シーバス1.5号
リーダー : クレハ プレミアムマックス25lb
ルアー : DUO ラルストゥイッチャー 95Lパープルイズム(限定カラー)