STAFF REPORTスタッフレポート

SALT Pro Staff赤木 光広

漢磯紫流儀

磯を舞台にターゲットに真っ向勝負を挑むパワフルアングラー赤木光広のホットレポート。 岸和田市在住 / 紀伊半島をホームにヒラ・マル・青物を追い求める、常に全開の豪傑釣師。

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2011.05.11

明日への道

今年は少し寒かったせいか、自宅の前にある桜の開花が少し遅かった。

各地とも例年にない寒さで、北からの風が止まない日はないというぐらいの、振り返ってみれば北風にさらされた冬であったように思う。釣りをしてきた経験の中で言えば、これほど冬型の気圧配置が緩まなかった冬は記憶にない。

よって水温もしっかり下がり海の中も久しぶりに冬らしくなっているだろう。こんな年は一端海の中がリセットされるのかそれまでの状況と異なり何かとよく釣れる傾向がある。そんな寒くて長い冬もようやく終わりに近づき、南西の風が吹く南紀へ一人ぶらっと出かけてみた。

案の程、南からのウネリは予想を上回り、一面を白く染めている。南紀でよく遭遇するパターンである。波の予報はサイズダウン、こんな時は車中で寝て待つに限る。

2時間程経過したところで四国の友人から、「ただ今ヒラ連発中」のメールで強張った身体を起こした。

サラシはやや落ち着きを呈したが、南のパワーをもってして時折飛沫がミストとなり得意の磯をぼやけさせる。ポイントに立った頃にはさらに落ち着いた程よいサラシがシーズンの予兆を醸し出している。

10分以上も波と流れのタイミングを待つ。

無造作にセットされ、竿先にぶら下がったのはお気に入りの145SLD-Fレッドシャイナー。

そのボロボロになっている相棒がサラシに馴染みこちらの合わせたタイミングに素直に反応してくれた。

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波のセットを利用して根のないところに誘導し最後まで抵抗した銀鱗。それは久しぶりに厳しい冬を
乗り越えた気合のファイトであったかの様だ。

いやいや海の中はまだ冬のなごりで春をほんの少し感じているにすぎないかもしれない。

本日のサラシの流れの感覚を掴んだ事もあり、次はチゴモリイワシのカラーで引き抵抗を感じ攻めると、これも激しくバイトしてくれた。

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真昼間のファイトが好きな私は、このオットコ前のヒラを目の前にして、釣りが出来る幸せをあらためて実感することができた。

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というのも東日本大震災、日本に激震が走った出来事である。だれもが複雑な思いと何か役に立てればと、津波の被害が大きかった事もあり、特に海と深く関わりのある釣師は殊更考えた事であると思う。

そんな思いでいると、我々にしかできない何かという事で、私の尊敬する超オットコ前の友人がイベントを主催した。その参加者は、数日前に呼びかけたにもかかわらず100人を軽く超えその参加者のみなさんがたくさんの義援金を寄付して頂いた。

暗いニュースもある昨今ではあるが、周りにはこんなに沢山の素晴らしい人たちいる事をあらためて実感した。彼らの思いは自分のプライドでもあり、今後もできる事を続けていきたいと感じた。

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今年の大阪フィッシングショーでは関東から東のエリアの方にも随分励ましと応援を頂いた。

今後も自分らしい釣りと気の合う素晴らしい仲間との楽しい釣りを伝えていければと思っている。
そういえば、先ほどの四国の友人の返信メールより、「次は必ず泊まりに来い」っと、釣りができる幸せを実感し、「そんなん言われなくても行きますがな〜」っと私。

東日本の皆様 今は耐えて下さい。そして今年こそ日本は「リスタート!」 そして明日への道へ!

タックルデータ
ロッド:ゼナック ディッフィーバーン・ブラックフィン11・6RGカスタムプロト
リール:ダイワセルテート4000RCS
ライン:クレハシーバスバトル1号
リーダー:クレハプレミアムMAX7号
ルアー:タイドミノー145SLD-F