STAFF REPORTスタッフレポート

SALT Pro Staff赤木 光広

漢磯紫流儀

磯を舞台にターゲットに真っ向勝負を挑むパワフルアングラー赤木光広のホットレポート。 岸和田市在住 / 紀伊半島をホームにヒラ・マル・青物を追い求める、常に全開の豪傑釣師。

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2010.05.08

桜舞散る漢の戻り

春はいつなのか、季節は4月なのに今年は寒い日が何故か幾度となくぶり返し、桜のつぼみも開き辛そうに固まっている様に見える。今まで冷夏や暖冬と、いろいろ季節をめぐって来たが、今年の冬は前半暖冬、後半極寒で非常にややこしい冬であった。

そんな冬も終わりを告げ海の中も徐々にではあるが動き出しているのか、あちらこちらで景気のいい話を聞く。年がら年中、磯を走り回っている私にすれば、本来この春という季節だけは最高にボルテージが上がる。
 全国各地の親しい友人から好調との便りが届き、行けば気持ち良く受け入れて頂き、ヒラスズキや青物と戯れながら友人達との釣りを楽しんでいる。各地に沢山の仲間ができ、そんな素晴らしい仲間と釣りができて酒が飲める私は大変幸せ者でである。

今回は愛媛に住む友人からの便りであった。
ヒラスズキもさることながら、この愛媛のロケーションは何度行っても最高で、それを満喫したく、友人、いや弟の様な存在である小林君とロングドライブを慣行した。
二人とも大の遠征好きであり、最近は遠征先の釣りだけでなく、その土地の仲間や食べ物、温泉といった全てを含め楽しんでいる。

今回も当然ヒラスズキ狙いである。
夜明け直前に到着し、早速目当ての磯に入った。お互いいつもの和歌山とは違い口数が少ない。そんな我々の気持ちとは裏腹に、流れも波も弱いため魚の反応は今一つである。
トップレンジを丹念に攻める小林君にヒラスズキが飛び出したが、見事にルアーを弾くのみ。私もトップを攻めたが同じく弾かれただけ。尚も無気になる小林君。
私はというとラフトレイル130Sをセットし、青物狙いへとシフトする。3kgほどのメジロが即バイトしたが、あえなくフックアウト。その後もキャストしまくるが、ベイトが少ないのか青物の反応は全くないままである。

それどころか一向に潮が効かず、目の前には泡潮が漂っている。その泡潮を眺めながらお湯を沸かし磯でラーメンを食べる二人。「こんな状況は和歌山と変わらんなぁ」と私。「ここはヒラスズキの宝庫の四国ですよ!」っと小林君。
魚は釣れなくとも飯は食べまくる二人である。お腹も膨れ、ついに小林君はここで電池切れのzzz・・・。私も寝たいが小林君の爆睡を見ていると、なんとか釣って一泡吹かせたい気持ちで一杯になる。疲れた体にムチ打ってロッドを握り一番気になるサラシをチェックする。

潮位も下がり、朝はシモリの表に出来ていたサラシも内側が濃いサラシとなっている。その流れにタイドミノー145Sld-Sをドリフトさせていく。泡潮は消え、流れ出した潮は濃紺色の潮を磯際へと寄せる。ちょっとしたタイミングで状況が一変するほどのポテンシャルを持っているのがこの四国南西部の凄さである。

すると、今まで何処おったん?と言いたくなるくらい2匹のヒラスズキが私のミノーを奪い合っている。その一匹が見事にバイトし、ようやく銀鱗と対面できた。

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半分寝ぼけた小林君に、「まだおるで」と場所を譲り、そのポイントで何とか彼も事なきを得た。

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更に私がもう一つ追加したところで本日終了。

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愛媛の夕日とともに近くの温泉の湯船に沈み、次回の遠征先もヒラスズキ狙いだなと頑なに誓った二人であった。
 

タックル
ロッド:ゼナック ディッフィーバーン ブラックフィン116RGプロト
リール:シマノ尾長SP6000D
ライン:クレハ シーバスバトル1.2号
リーダー:クレハ プレミアムMAX7号
ルアー:ラフトレイル130S・タイドミノー145SLD-S